『実家が物だらけで落ち着かない』収納アドバイザーが選んだ親との距離感

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はじめに

実家に帰ると、なんだか落ち着かない。
そんな気持ちになったことはありませんか?

私の実家は、どの部屋も物置のようになっています。
どこを見ても、ものがぎっしり。
座る場所を探すところから始まる、そんな家です。

私自身は、ものが少ない暮らしが理想です。
だからこそ、帰っても気持ちが休まらないんです。
正直に言うと、家族を連れて帰るのも少しためらってしまいます。

収納アドバイザーなのに、自分の実家は片付けられない。
誰かのお片付けの相談には乗れるのに、いちばん身近な家には手が出せない。

今日はそんな、ちょっと本音の話をさせてください。
同じように実家のことでモヤモヤしている方に、少しでも届いたらうれしいです。

実家の片付けに踏み込めない理由と、私が選んだ向き合い方

 帰省のたびに感じるモヤモヤ

実家の玄関を開けた瞬間、ふっと気持ちが重くなる。
そんな感覚、わかる方もいるのではないでしょうか。

懐かしいはずの場所なのに、くつろげない。
どこに座ればいいのか、荷物をどこに置けばいいのか迷ってしまう。

「ここを片付けたら、もっと過ごしやすいのに」
「これだけでも減らせたら、母もラクになるのに」

頭の中では、ついそんなことを考えてしまいます。
片付けを仕事にしているからこそ、目についてしまうんですよね。

でも、それを口に出せないまま、帰る日を迎える。
帰りの道で、なんとも言えない疲れを感じる。
そんなことを、何度も繰り返してきました。

 収納アドバイザーなのに、という葛藤

「片付けのプロなんだから、実家くらいどうにかできるでしょ?」
そう思われるかもしれません。

でも、お客様のお宅と実家はまったく違います。

「片付けたい」と思って相談してくれた方はいいんです。
本人の気持ちがあるから、一緒に進められるんです。

実家は違います。
母が「片付けたい」と思っていないなら、
私がいくら知識を持っていても意味がありません。

片付けは、本人の気持ちがあって初めて動き出すもの。
これは、収納アドバイザーとして学んだ大切なことのひとつです。
皮肉なことに、それがいちばん身にしみたのは、自分の実家でした。

「多すぎる」と言えない

見ればわかります。
確実に、ものが多すぎるんです。

でも、母にとってそれは、ただの「もの」ではありません。
買ったときの気持ちや、使ってきた時間がつまっています。

もし私が「これ、もういらないよね」と言ったら?
母は、自分の暮らしそのものを否定されたように感じるかもしれません。

ものを大切にする母の気持ちを、踏みにじりたくない。
そう思うと、なかなか口に出せないんです。

「持っていること」で安心している

母のものを見ていて、気づいたことがあります。
使う出番がなさそうなものでも、母は手放そうとしません。

きっと母は、ものを「使うため」だけに持っているのではないんです。
持っていることで、安心しているんだと思います。

「これがあれば、いざというとき困らない」
「家にあるとわかっているだけで、ほっとする」

そんな気持ちが、ものの多さにつながっているのかもしれません。

それに、母には買い物癖があるのかもしれない、とも感じています。
気に入ったものや、安くなっているものを見つけると、つい手に取ってしまう。
新しいものを迎えることが、母にとっての楽しみなのかもしれません。

そう考えると、「使わないなら捨てればいい」とは、とても言えなくなりました。
母にとってものを減らすことは、安心や楽しみを手放すことにもつながるからです。

私にとっては「多すぎるもの」でも、母にとっては「安心をくれるもの」。
同じものを見ていても、見えているものが違うんです。

片付けを考えるときは、ものの量よりも、その奥にある気持ちに目を向けたい。
今はそう思っています。

親子にも距離感がある

自分のものを、勝手に触られたらどうでしょう。
たとえ家族でも、いい気はしませんよね。

私だって、自分の部屋のものを誰かに勝手に動かされたら嫌です。
それが母でも、きっとモヤッとすると思います。

親子だから何でも言える、というわけではありません。
親子だからこそ、踏み込みすぎないほうがいいこともあります。
変に気をつかわせたり、気まずくなったりするのは避けたいんです。

母が動けなくなったときなど、きっかけがなければ下手に触れない。
それが、今の私の正直な気持ちです。

それでも、スッキリした部屋で過ごしてほしい

じゃあ、どうでもいいと思っているかというと、そうではありません。

これからの時間を、母にはスッキリした心地いい部屋で過ごしてほしい。
ものに囲まれて窮屈な思いをするより、のびのびと暮らしてほしい。
それが、私の本当の願いです。

片付けたい気持ちの奥にあるのは、「母に快適に暮らしてほしい」という思い。
決して、母を責めたいわけではないんです。

だからこそ、伝え方を間違えたくない。
大切に思う気持ちが、押しつけになってしまわないように。

 孫の写真に込められた、母の愛情

実家に帰ると、あちこちに孫の写真が飾ってあります。
父母は、孫のことをとてもかわいがってくれているんです。

正直に言うと、片付けのプロとしては気になることもあります。
「もう少しセンスよく飾ってくれたらいいのにな」
そう思ってしまう自分がいるんです。

でも、それは求めすぎなのかもしれません。

写真がたくさん飾ってあるのは、それだけ孫を大切に思ってくれている証。
見るたびにうれしくなるから、目につくところに置いているんですよね。

もし飾り方を変えたい気持ちがあるなら、すてきなフォトフレームを贈ってみる。
「新しい写真、これに入れてね」と、最新の写真と一緒に渡してみる。
それくらいの距離感がちょうどいいのかなと思っています。
どこに飾るかは、母に任せて。

飾り方の正解より、父母がうれしそうに写真を眺めていること。
それがいちばん大切なんだと、気づかされました。

私は、父のことも母のことも大好きです。
だからこそ、この関係を壊したくない。
片付けよりも先に守りたいものが、ちゃんとあるんです。

「何もしない」も、ひとつの選択

それなら、何もしないほうがいいのかな。
ずいぶん悩みました。

でも今は、こう考えています。
「今は触らない」と決めるのも、母の暮らしを尊重するということ。
見放しているわけではないんです。

いちばん大切なのは、片付けることより、母との関係を壊さないこと。
母が困ったときに「頼もうかな」と思ってもらえる。
そんな関係でいられたら、それがいちばんの備えになる気がしています。

安全のことだけは気にかけておく

ものに触らないと決めても、ひとつだけ気にかけていることがあります。
それは、安全面です。

廊下や階段にものが置かれていると、つまずきやすくなります。
年齢を重ねるほど、ちょっとした段差や置きっぱなしのものが心配になりますよね。

もし伝えるなら、「片付けて」ではなく「つまずいたら心配だから」
ものの量ではなく、親の体を気づかう言葉にすると、受け取ってもらいやすくなると思います。

ここだけは、タイミングを見て少しずつ話していけたらと考えています。

 自分が使う場所だけ整えさせてもらう

とはいえ、帰省のたびに落ち着かないのはつらいですよね。

そこで考えたのが、自分が使う場所だけ整えさせてもらう方法です。
寝る場所や、荷物を置く一角だけ。

「泊まるとき使いたいから、ここだけ空けてもいい?」
この聞き方なら、否定せずに頼めます。

動かしたものは捨てずに、箱にまとめておくだけ。
帰るときに元に戻せば、安心です。

家全体は変えられなくても、自分の居場所がひとつあるだけで、
気持ちはずいぶん違います。

 孫たちにとっての実家

誕生日や父の日、母の日。
行事のたびに、私たちは子供と一緒に実家に帰っています。

正直、私はものの多さが気になって落ち着かないこともあります。
でも、子どもたちはちょっと違うようなんです。

実家に帰ると、母が手料理でもてなしてくれます。
テーブルいっぱいに並ぶごちそうに、子どもたちは大喜び。
すっかりくつろいで、居心地がよさそうに過ごしています。

それを見ていて、ふと気づきました。
居心地のよさって、部屋が片付いているかどうかだけで決まるわけじゃないんだなって。

子どもたちにとっての実家は、「ものが多い家」ではなく、
「おばあちゃんのおいしいごはんが待っている家」なんですよね。

私が気になっていたのは、部屋の様子ばかり。
でも、母が大切にしているのは、家族をもてなす時間なのかもしれません。

ものの多さは、すぐには変わらないかもしれません。
それでも、母の料理を囲んでみんなで笑える時間がある。
今はそれを大切にしたいと思っています。

片付けは「話す」ことから

ものには触らなくても、話すことはできます。

「これ、ずっと大事にしてるよね」
そんなふうに、母の好きなものを話題にしてみる。

ふとした会話の中で、思い出を聞いてみる。
「困ったら言ってね、一緒にやるから」と伝えておく。

いつか本当に片付けが必要になったとき。
急いで片付けることになると、母が自分で選ぶ時間がなくなってしまいます。
それは、母にとっても私にとってもつらいことです。

だからこそ、今から少しずつ話しておけたらと思っています。
片付けの準備は、ものではなく、会話から始まるのかもしれません。

 自分の暮らしを大切にする

実家のことを考えていると、気持ちが沈んでしまうこともあります。
そんなときは、自分の家を整えることにしています。

自分の暮らしは、自分で心地よくできる。
そう思えるだけで、少し気持ちが軽くなるんです。

実家は変えられなくても、自分の家は変えられる。
まずは自分の足元を大切にすることも、忘れずにいたいと思っています。

 おわりに

実家を「自分が落ち着ける場所」に戻そうとすると、苦しくなります。
だから私は、「親の家」と割り切ることにしました。

片付けのプロとしての目と、娘としての気持ち。
その間で、今もときどき揺れています。

でも、触られたくない気持ちがわかるからこそ、待つことができる。
それも、ひとつの片付けとの向き合い方だと思うんです。

片付けは、ものを減らすことだけが目的ではありません。
その人が心地よく暮らせることが、いちばん大切。
そして、そこには家族との関係も含まれているのだと、
大好きな父と母の暮らす実家が教えてくれました。

同じように、実家のことで悩んでいるあなた。
あなたの実家は、どうですか?
無理に答えを出さなくても大丈夫ですよ。
今の距離感を大切にしながら、できることから少しずつ。
一緒に、ゆっくり考えていきましょうね。

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